膝が痛い!その原因と治療法について!

高位脛骨骨切り術:運動機能の回復と手術の適応範囲について
高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)は、下肢の骨格系統の異常や疾患による歩行障害を改善するために行われる外科手術の一種です。この記事では、高位脛骨骨切り術の手術内容、回復期間、および手術の適応範囲について詳しく説明します。

 

 

 〇高位脛骨骨切り術の概要:

  高位脛骨骨切り術は、脛骨(すね)の近位部分(膝下)において骨を切断する手術です。

  主な目的は、骨格系統の異常や変形、関節の不安定性、外傷後の骨癒合異常などによる歩行障害を改善することです。

  手術にはいくつかのバリエーションがありますが、一般的には骨を切って再配置し、適切な位置に固定することで骨の形態を修正します。

 

 〇手術の適応範囲:

  主に以下のような症状や疾患に対して行われます。

  ●先天性の下肢の骨格異常や変形(例:内反足、外反足)

  ●脊椎側弯症に伴う下肢の不均衡

  ●外傷による下肢の骨折や骨癒合異常

  ●変形性膝関節症、O脚など骨・関節疾患(関節変形がひどくないもの →ひどい場合は人工関節)

  ●手術後の骨癒合が期待できること。

  手術の適応範囲は個々の患者の状態に基づいて判断されるため、専門医の評価が必要です。

 

 〇手術の回復期間とリハビリテーション

  高位脛骨骨切り術後の回復期間は個人差がありますが、一般的には数ヶ月から半年以上かかることがあります。

  手術後は、以下のような段階的なリハビリテーションが行われます。

  ①早期回復期:手術直後から数週間

   この段階では、手術部位の安静と経過観察が行われます。痛みや腫れがある場合は、鎮痛剤や氷パックを使用することがあります。

   リハビリとしては関節可動域運動、筋力トレーニング、車椅子や松葉杖での移動動作練習などを行います。

   *傷が治り、移動動作が自立できれば退院することもできます。

  ②中期回復期:数週間から数ヶ月

   手術部位の骨組織が固まり、安定性が向上する段階です。

   リハビリテーションチームの指導の下、歩行訓練や筋力トレーニングが行います。バランスの改善のためのトレーニングも行っていきます。

  ③復帰期:数ヶ月から半年以上

   骨の組織修復と筋力回復が進み、患者の歩行能力が改善します。この期間では、より高度なリハビリテーションや運動プログラムが導入されることがあります。

   個々の患者の目標に応じて、スポーツや日常生活の活動に徐々に戻るためのトレーニングが行われます。

 

 〇手術の成果と合併症:

  高位脛骨骨切り術は多くの場合、歩行機能の改善が得られます。

  手術によって骨の形態が正常化されることで、足のアライメントや関節の安定性が向上し、歩行や運動能力の向上が期待されます。

  何より完治したらすべて自分の骨であり、金属などの余計なものはなくなります。

  しかしながら、手術にはいくつかの合併症のリスクが存在します。

  例えば、感染症、神経障害、骨癒合不全などが挙げられます。

  手術前に医師との十分な相談と評価が重要です。手術の利点とリスクを正確に理解し、患者の状態に合わせた最適な治療計画を立てることが必要です。

 

 〇高位脛骨骨切り術の将来展望:

  高位脛骨骨切り術は、技術の進歩によってさらに改善されていく可能性があります。手術技術の発展や新しい骨固定材料の使用により、手術の安全性と効果が向上することが期待されます。

  すでに新しい骨固定材料により荷重制限の期間が短縮されています。

  また、リハビリテーションの分野でも進歩が期待されています。

  個別化されたプログラムや先進的な運動療法により、患者の回復プロセスを最適化することが可能となるでしょう。

 

 〇まとめ

  高位脛骨骨切り術は、下肢の骨格異常や疾患による歩行障害を改善するための有効な手術法です。

  手術の適応範囲は個別の症例によって異なりますが、適切な評価と手術計画が重要です。

  リハビリテーションの適切な指導とサポートも、手術後の回復と運動機能の向上に不可欠です。

  必ず医師に相談すること、メリットデメリットを理解することが重要です。